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弁護士・公認会計士 洪 勝吉

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遺産分割の進め方ー相続人になる場合、ならない場合

前回、相続人や相続分に関する民法の履歴を確認しました。

今回は、相続人になる場合、ならない場合など具体例を見ていきます。

相続人になる人・ならない人

前回みたとおり、相続人は、配偶者(常に相続人)、子(第1順位)、直系尊属(第2順位)、兄弟姉妹(第3順位)ということになります。

ここで、配偶者とは、戸籍上の配偶者を意味します。そのため、内縁の(事実上は婚姻関係にあるものの、婚姻届を提出していない)配偶者は相続人にはなりません

養子は、養親と法律上の親子関係がありますので、子として第1順位の相続人になります。実子と養子で相続分の違いもありませんので、子が複数あれば等分になります。なお、実親との親子関係に影響はありませんので、実親の相続人にもなります。

それに対して特別養子縁組をした場合、実父・実母と、特別養子縁組をした子との親族関係は終了しますので、相続権を失い、相続人にはなりません。

胎児は相続については生まれたものとみなされますので、相続人となります。しかし、胎児が死体でうまれたときには相続人とはなりません。実務上は、胎児が無事生まれてきた後に遺産分割をすることが多いです。

非嫡出子については、子として第1順位の相続人になり、前回見てきたとおり、平成16年7月1日以降は嫡出子と相続分の相違もなくなりました。
 

直系尊属とは

これまで「直系尊属」という言葉を用いてきましたが、この意味を確認したいと思います。

「直系」とは血統が直線でつながる者を指します。「直系」の対義語は「傍系」といい、血統が共通の祖先によってつながる者を指します。
「直系」の例は、親や祖父母、子、孫などです。
「傍系」の例は、同じ親を持つ兄弟姉妹などです。

次に「尊属」とは自分より前の世代のことを指します。親、祖父母、おじおばなどです。
「尊属」の対義語は「卑属」といい、自分より後の世代のことを指します。子や孫、おいめいなどです。自分と同じ世代(兄弟姉妹やいとこ)は尊属でも卑属でもありません。
ということで、「直系尊属」とは血統が直線でつながる、被相続人より前の世代のことを指します。具体的には親や祖父母で、親等の近いもの(親と祖父母がいれば親)が第2順位の相続人となります。
 

代襲相続とは

代襲相続とは、①本来の相続人の直系卑属であり、かつ、②被相続人の直系卑属でもあるという2つの条件を充たした場合に、本来の相続人を代襲して相続人となることです。

例を挙げると、Aさん(養親)が、Bさん(養子)と養子縁組をした後に、BさんにCさんという子供が生まれたとします。この場合、CさんはBさんの実子なので、Bさんの直系卑属です。そして、AさんとBさんが養子縁組した後に生まれたので、CさんはAさんの直系卑属にもなります。そのため、Aさんが死亡する前に、Bさんが死亡した場合、Cさんが、Bさんを代襲してAさんの相続人となります。

他方、Cさんが生まれたのが、AさんとBさんが養子縁組をする前(CさんがBさんの「連れ子」)だとすると、CさんはBさんの直系卑属ではありますが、Aさんの直系卑属にはなりません。そのため、Aさんの相続人にはなりません。
 

順次相続と代襲相続の違い

次のような例を見ていきましょう。

Aさんには子Bさんがいます。Bさんには配偶者Cさんがいます。BさんとCさんには子Dさん(Aさんから見ると孫)がいます。
Aさんが死亡した後にBさんが死亡したときは順次相続といいます。
Aさんが死亡する前にBさんが死亡すると代襲相続となります。

それぞれの相続の結果がどのように異なるでしょうか。
まず順次相続(Aさん→Bさんの順で死亡)の場合、Aさんの死亡について、Bさんは唯一の相続人ですので、BさんがAさんの全てを相続します。その後、Bさんが死亡すると、その配偶者であるCさんと子Dさんがそれぞれ2分の1ずつBさんを相続します。Aさんの財産は、Bさんを通じて、CさんとDさんがそれぞれ相続することになります。

一方、代襲相続(Bさん→Aさんの順で死亡)の場合、Dさんは、①Bさんの子としてBさんの直系卑属であり、②Aさんの孫としてAさんの直系卑属でもあるので、代襲相続人となります。CさんはBさんの配偶者ですから、代襲相続人の要件を充たしません。そのため、Aさんの財産は、Bさんを代襲してDさんが全て相続することになります。

このように、Cさん(Bさんの配偶者)がAさん(Bさんの親)の財産を相続するかどうか、相続開始の順番により大きく結論が異なることになります。

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