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弁護士・公認会計士 洪 勝吉

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遺留分制度について

今回は遺留分制度が認められている趣旨など、その制度の概要について見ていきたいと思います。

遺留分制度の目的

遺留分制度とは、被相続人が有していた相続財産について、その一定割合の承継を一定の法定相続人に保障するものです(民法1042条以下に定めがあります)。

本来、被相続人は自身の財産を自由に処分することができます。しかし、相続制度自体が、遺族の生活保障、遺産の形成に貢献した相続人の潜在的持分の清算などの機能を有しています。そこで、遺留分制度により、被相続人の財産処分の自由と、遺族の生活保障や潜在的持分の清算、相続人間の一定の公平性の維持などといった機能の調和を図っています。
 

改正前の遺留分制度

遺留分制度については、2020年4月に施行された改正民法により、制度の枠組みが変更されました。

改正前の民法では、遺留分を侵害する遺贈・贈与の効力を失わせて、相続人に取り戻すもので、遺留分減殺(げんさい)請求と呼ばれていました。

遺留分減殺請求権が行使されると、その範囲内で遺贈・贈与の効力が消滅し、減殺の対象となった財産についての権利が遺留分権利者に当然に復帰すると理解されていました。そのため、遺留分減殺請求権の行使により、遺産であった不動産や株式が遺留分権利者と受遺者との共有になります。

しかし、このような結果は、遺贈等された財産が事業用財産である場合には、円滑な事業承継を困難にし、また、共有関係の解消をめぐって新たな紛争を生じさせると指摘されていました。さらに、遺族の生活保障や潜在的持分の清算、一定の公平性の維持といった目的を達成するためには、物権的効果(共有関係)を生じさせる必要まではなく、遺留分侵害額に相当する金銭的価値を返還させることで十分といった指摘もなされていました。
 

改正された遺留分制度の内容

そこで、改正民法では、遺留分に関する権利を行使することにより、金銭債権が発生する(民法1046条1項)ものとされ、権利の名称も遺留分減殺請求権から遺留分侵害額請求権と変更されました。

先ほど事業承継について触れましたが、例えば創業者であった被相続人が株式を後継者に生前贈与した場合、改正前の民法では、生前贈与された株式が共有状態になって経営に支障が生じることもあったのですが、改正法では遺留分侵害額に相当する金銭を弁償すればよいことになり、株式自体を分割する必要がなくなり、その意味では円滑な事業承継につながりやすくなったと言えます。

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